-卒業生の声14-

浜松蜆塚中 Rさん 浜松北高校 合格

私の高校入試は想像とは全く異なるものだった。考えもしなかったことが二つも起きたからだ。一つは入試六日前に新型コロナに羅患し、受けるはずだった3月3日の入試を受けられなかったことだ。もう一つは、別日10日の入試問題が今まで予想し備えてきた入試問題とは比較にならないほど難しかったことだ。少し別日入試の状況を書いておく。想像しながら読んでほしい。まず、私の志望校での別日入試は私一人だけだった。重厚な会議室で先生二人に見られながらたった一人で問題を解くという状況であった。しかも目の前にはどう解けば良いのか分からない問題の山。絶体絶命とはこの事かと思った。結果私は「切り捨て」をする事で窮地を乗り切れた。数学の証明など、各教科の特に難しい問題数問づつを全く手をつけずに提出したのだ。もちろん意図的にである。自分の今までの努力を捨ててしまう様な心苦しさがあったが、目的は全体をみた時の総点数をできる限り上げる事にあり、目の前の一問にこだわる必要はないのである。三年の学調までの私は履き違えていて、難問を解くことに執着するあまりに他のできるはずだった問題に時間を回せず、悔しい思いをしてきた。そんな時にスマスタの先生にこんな言葉をもらった。「目的達成のために捨てる勇気を持ちなさい。」この時私は目が覚めた。この事こそが合格をもたらしてくれたと今、強く思う。この経験を通してこれから受験をする方、特に高得点・難関校を狙う方に伝えたいことがある。それは「完璧にこだわらないこと」、「今までの努力に冷酷であること」である。これを読んでくださっている方はきっと、これまで多くの努力を積み重ねてきたのだと思う。得意な科目、これだけは絶対に間違えないという問題もあるだろう。努力が無駄とは全く思わない。盤石な基礎、たゆまぬ反復練習は本番に必ず自分を支えてくれる。ただ、悲しいかな結果が努力の量に比例するとは限らないという事だ。できる、得意だと思っていた科目でも本番で分からない問題が出て焦ることもあり得る。そうなった時に、合格のためにその問題を捨てるという選択肢があることも覚えていて欲しい。そしてみんな合格を手にすることを切に願っている。

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